今回はメガネスーパー(3318)について分析を行いたいと思います。
メガネスーパーは東証JQS上場で、時価総額は70億円(2017/3/15時点)
企業概要
メガネスーパーはメガネ小売チェーンを全国に展開する企業です。
事業バリューチェーンとしては、レンズメーカーとフレームメーカー(フレームはPB製品も取扱い)からそれぞれ製品を調達し、それらを顧客に販売しています。
(メガネ以外にも、コンタクトレンズ、補聴器、その他サービスを展開)
後ほど詳述しますが、メガネスーパーは業績悪化に伴い債務超過に陥った後、2012年に日系PEファンドであるアドバンテッジパートナーズの傘下に入り、経営再建を進めています。
市場環境
メガネ市場はJINSやZoffをはじめとする3プライスチェーンの台頭による単価下落、コンタクトの普及により、従来の中価格帯事業者には厳しい事業環境となっています。
(3プライスチェーンとは、例えばレンズとフレーム一式の価格を5,000、7,000、9,000円という3つの価格帯で販売する格安チェーン)
高級眼鏡店で数十万円程度の眼鏡を購入する層は、ブランドや素材の希少性等を重視します。
大手眼鏡チェーンで眼鏡を購入する層は、価格と品質・安全性のバランスを重視します。
従って、高級眼鏡店と大手眼鏡チェーンは顧客を食い合うことはないと想定されます。
一方、3プライスチェーンで眼鏡を購入する層は、価格を重視しており、3プライスチェーンが一定の品質や安全性を提供することで、大手眼鏡チェーンと顧客を食い合うことになります。
大手メガネチェーンは、「打倒3プライスチェーン」を掲げ、差別化を試みますが、メガネトップを除き、苦しい状況が続いています。
(※メガネトップは2013年にMBOにより非上場化)
業績・株価
苦しい状況に追い込まれていたメガネスーパーですが、アドバンテッジパートナーズ傘下に入ってから、急速に業績が改善し、見事にV字回復を成し遂げています。
とは言え、まだ黒字をギリギリ確保したという段階で、財務基盤もおぼつかない状況です。
実際に株価の推移を見ても、直近で54円から82円と約1.6倍になりましたが、まだまだ2012年12月につけた273円の1/3以下の水準に留まっています。
いくらファンドが入って企業内のガバナンスを改革しても、持続可能な事業を創出できるとは限りません。
今後、メガネスーパーの業績が本格的に回復し、市場の信頼を再び勝ち取るためのキーワードは「持続可能な事業の創出」になりそうです。
次回はメガネスーパーの戦略を分析し、「持続可能な事業の創出」が可能か否か、及び目標株価について検討したいと思います。