経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

迷走中の大塚家具(8186)と過度な期待

この1~2週間くらい、再び大塚家具の今後について記載される記事が増えてきたので、日経ビジネスの下記の記事についての見解を述べながら、今後の動向について今一度確認したいと思います。 business.nikkeibp.co.jp 真の差は"強み"が明確か否か まず、大塚家…

メガネスーパー(3318)の次の一手~ウェアラブル端末子会社設立

以前、本ブログで分析を行ったメガネスーパーがウェラブルメガネ事業を行う子会社の設立を発表しました。 www.nikkei.com 以前の分析では、メガネスーパーの状況について下記のように書きました。 但し、そうした新規事業が未知数であり、ウェアラブル端末と…

スタジオアリス(2305)企業分析②

さて、前回の続きです。 (前回行いましたスタジオアリスの分析はこちらになります) con-invester.hatenablog.com 写真館事業の比較 前回、「スタジオアリスとキタムラの写真館事業は収益性を分ける大きな差異はない」と記載しましたので、改めて両社の写真…

新報国製鉄(5542)と半導体製造装置需要

4月19日に日本半導体製造装置協会が、3月の日本製半導体製造装置BBレシオを発表しました。 www.nikkei.com BBレシオとは、3カ月移動平均の受注額を同・販売額で割った値です。同レシオが1を上回ると需要が供給よりも多いことを示しますが、3月が1を上回っ…

スタジオアリス(2305)企業分析①

今回はスタジオアリス(2305)の分析を行いたいと思います。 スタジオアリスは東証1部上場で、時価総額は392億円(2017/4/19現在) 企業概要 スタジオアリスは子ども写真館の運営を主力事業としており、路面店やショッピングセンター内、トイザらス内へ出店…

PEファンドは株価を上げるのか

これまで、PEファンドというプレーヤーの意義や影響力について見てきました。 con-invester.hatenablog.com con-invester.hatenablog.com con-invester.hatenablog.com とは言え、投資家の皆さんが気になるのは寝ても覚めても株価でしょう。 今回はPEファン…

PEファンドが生み出す多額の「のれん」

先日、MBKパートナーズという韓国のPEファンドが上場させたコメダホールディングスについて分析を行いました。その結果「収益性や成長性は魅力的だが、のれんという負の遺産を背負っている」ということが分かりました。 一方で「多額ののれんを背負うことはP…

コメダホールディングス(3543)企業分析③

さて、前回の続きです。 (前回行いましたコメダホールディングスの分析はこちらになります) con-invester.hatenablog.com 競争優位性 まずコメダは下記ポジショニングの「ゆったり系」にカテゴライズされます。 価格帯的に競合となるのは星乃珈琲等ですが…

「資本提携」×「中小型株」で儲ける

中小型株に有利に働くスペシャルシチュエーション第2弾になります。 (第1弾のTOBについての記事はこちらになります) con-invester.hatenablog.com 今回は資本提携です。 資本提携とは? よく株式の持ち合いと一色単にされ易いのでここで明確な差異について…

コメダホールディングス(3543)企業分析②

さて、前回の続きです。 (前回行いましたコメダホールディングスの分析はこちらになります) con-invester.hatenablog.com のれんの意味合い 前回の分析で、コメダに異常なのれんがあることが分かりました。 異常なのれんがあるということは、それだけ減損…

コメダホールディングス(3543)企業分析①

今回はコメダホールディングス(3543)の分析を行いたいと思います。コメダホールディングス(以下、コメダ)は東証1部上場で、時価総額は791億円(2017/4/8現在) 企業概要 コメダは名古屋発祥の喫茶店で、郊外の路面店中心の店舗展開とボリューミーなモー…

PEファンドの動向と割安中小型株投資家への影響

先日、英CVCキャピタル・パートナーズが年間1,000億円以上を投資する計画の発表や、日ポラリス・キャピタル・パートナーズの750億円規模のファンドを立ち上げる計画の発表が話題になりました。 www.nikkei.com 謎が多きPEファンドの積極的な動向は、我々割安…

スカラ(4845)企業分析②

さて、前回の続きです。(前回行いましたスカラの分析はこちらになります) con-invester.hatenablog.com 株価 ソフトブレーンとのやり取りで失ったものは多く、”行儀の悪さ”というイメージが蔓延してしまいました。 株価は16年8月からおよそ3か月で一気に値…

スカラ(4845)企業分析①

今回はスカラ(4845)の分析を行いたいと思います。スカラは東証1部上場で、時価総額は137億円(2017/4/6現在) 企業概要 スカラは、ASPサービス会社です。(ASPについては後段で詳述)今年の1月から3月にかけて営業支援システムを手掛けるソフトブレーン(4…

ユニゾホールディングス(3258)企業分析②

さて、前回の続きです。(前回行いましたユニゾホールディングスの分析はこちらになります) con-invester.hatenablog.com 株価・水準 2012年4月から上昇を続けていましたが、2015年8月に6,240円を付けると、下落を始め、現在は直近高値の半値以下で推移して…

ユニゾホールディングス(3258)企業分析①

今回はユニゾホールディングス(3258)の分析を行いたいと思います。 ユニゾホールディングス(以下、ユニゾ)は東証1部上場で、時価総額は656億円(2017/4/3現在) 事業構成 ユニゾは不動産事業とホテル事業を展開しています。 構成比率(FY2016)は不動産…

株主優待は悪か

先日、日経新聞に株主優待に関する批判的な記事が出るや、再び各種方面で議論が活発化しています。 www.nikkei.com 株主優待とは? 株主優待とは、企業が自社の株主にむけて、サービスや自社商品などを年に1~2回提供する制度です。株主優待は日本独特の制度…

ひふみ投信が直面する問題

先日、藤野氏率いるレオスキャピタルワークが運用するファンドの残高が急増してたことで、問題に直面していると話題になりました。 www.nikkei.com 元々運用成績が良く投資界隈では有名であったひふみ投信は、テレビ東京の「カンブリア宮殿」に取り上げられ…

PERが「低い」とは

PERという指標は投資家が好んでよく使う指標としてあまりにも有名です。斯く言う僕もPERの愛好家でもあります。今日はそのPERについてお話をしたいと思います。 なぜPERが「低い」方が望ましいのか? PERはPrice Earning Rateの略で、株価÷EPSで算出されます…

「TOB」×「中小型株」で儲ける

投資において最も難しい要素の一つは「いつ」が分からないということです。企業分析を根気強く行えば、割安に放置されている銘柄を見つけることはそこまで難しいことではありません。しかし、その割安株が「いつ」値上がるのか、「いつ」目標株価に到達する…