ここまで9社の分析を行ってきましたが、成長が見込まれる企業とそうでない企業の特徴を整理しておきたいと思います。
成長企業・非成長企業の分類
まず成長が見込まれる企業とそうでない企業を分類したいと思います。
※メガネスーパーはファンドのEXITという特殊事情もあり、成長が見込まれない企業に分類
成長が見込まれる企業の特徴
下記①及び②がある企業は成長が見込まれると想定されます。
中にはどちらか片方しかないが、その片方が強烈という企業も成長が見込まれます。
①自社の強みが明確
平安レイの場合は、ドミナント戦略による「地域の信頼」、他事業からの送客スキーム
タケダ機械の場合は、名門アマダが認めた技術力
コンドーテックの場合は、商社としての広範な営業網とそこから獲得する顧客ニーズ
等、いずれも一朝一夕には築くことができない明確な自社の強みを有しています。
勿論、ただ自社の強みがあるだけでなく、その強みを軸としたビジネスモデルが構築されているという点も成長が見込まれる企業の特徴として挙げられます。
②伸びている市場に張っている
平安レイの場合は葬儀市場
日本アセットマーケティングの場合はドン・キホーテグループの物件
澤田ホールディングスの場合はモンゴル市場
コンドーテックの場合はASEAN
等、いずれも成長が予測される市場で事業を行っている、又は事業の種を蒔いています。
成長が見込まれない企業
これは「成長が見込まれる」企業が満たしている条件を満たしていない企業と想定されます。
①自社の強みが不明確
大塚家具の場合はニトリ等の市場浸食を受けて自社の強みを見失い迷走
ロックペイントの場合は他社との差別化要因が不明確
等、いずれも何が企業の売りなのか、何が競合よりも優れているのか等の強みが不明確です。
②伸びている市場に張れていない
大塚家具の場合は国内家具市場
高橋カーテンウォール場合は国内建設市場
ロックペイントの場合は国内自動車補修用塗料市場
等、いずれも縮小が予測されている市場で事業展開しています。
あくまでこれまで分析した9社から抽出された条件であるので、今後分析を重ねる上で、新たな条件が増える可能性はありますが、今後も「自社の強みが明確か」、「伸びている市場に張れているか」という視点を持ちながら分析を行いたいと思います。