経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

スカラ(4845)企業分析①

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今回はスカラ(4845)の分析を行いたいと思います。
スカラは東証1部上場で、時価総額は137億円(2017/4/6現在)

企業概要

スカラは、ASPサービス会社です。(ASPについては後段で詳述)
今年の1月から3月にかけて営業支援システムを手掛けるソフトブレーン(4779)を強引に子会社化しようとして話題になりました。

スカラは「株主提案」×「株式追加取得」という波状攻撃を掛けますが、ソフトブレーンから徹底抗戦にあい、結局3月14日に株主提案取り下げを発表しました。(株式は現在も保有している模様です)
スカラの”行儀の悪さ”や両社の協業への期待が失望に変わったことで、株価は下落傾向となっていますが、実際の事業がどうなっているかしっかりと分析を行っていきたいと思います。(株価の推移は次回記載します) 

事業内容

ASPサービスと言っても馴染みのない方が多いと想定されるので、詳しく見ていきたいと思います。

ASPとは?

ASPとは、クラウドコンピューティングの一つで、利用者が必要とするアプリケーションを、ネットワークを通じて提供するサービスのことを言うそうです。

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まぁ平たく言うと、サイトの構築サポートです。
例えば、「サイト内検索」や「よくある質問」の構築等です。

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ASPのメリットとは?

なぜ顧客はASP事業者にサイト構築のサポートをお願いするかと言うと、下記2点のメリットがあるからです。

①導入ステップが簡単・スピーディ

ASPでは、顧客がサーバやアプリを保有・運用する必要がなく、導入までの期間も大幅に短縮

②低コスト

月額制で、自社で専用サーバの購入・設定、運用体制の整備を行うよりも、低コストでサービスの利用が可能 
要するに、牛丼業界が生み出した「安くて、早くて、うまい」というやつです。
ポイントは②で、一度入り込んでしまえば、余程ことがない限り企業がサイト変更をすることはないため、ストック型ビジネスモデルとして安定した収入が見込まれます。 

業績

業績は順調に拡大中ですね。
FY17見込みの売上はソフトブレーンの連結化により大幅に拡大しています。
また、営業利益に関しては、ソフトブレーンの連結化に加え、ソフトブレーン株の段階的取得による差益が発生したことで約7倍に増えています。

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FY12-16を見れば、本来の事業も順調に伸びていることが分かりますが、直近の業績やPERは数字マジックであるということは頭に入れておく必要があります。
次回は株価水準、及び競争優位性を踏まえ、目標株価について分析を行いたいと思います。