今回はユニゾホールディングス(3258)の分析を行いたいと思います。
ユニゾホールディングス(以下、ユニゾ)は東証1部上場で、時価総額は656億円(2017/4/3現在)
事業構成
ユニゾは不動産事業とホテル事業を展開しています。
構成比率(FY2016)は不動産事業:75.6%、ホテル事業:24.4%という比率です。
不動産事業には東京を地盤としたオフィス賃貸事業と、ゴルフ場の運営を行うゴルフ事業が含まれますが、過去のセグメントを遡ると、95%程度をオフィス賃貸事業が占めるという比率です。
ホテル事業は大都市・地方中核都市中心部に宿泊特化型ホテルを展開しています。
業績
業績は絵に描いた様に上昇しています。
業績の伸びもありますが、ユニゾの魅力は何と言っても収益性の高さです。
不動産事業にしても、ホテル事業にしても競合のROSを圧倒しています。
(ユニゾのROSは事業毎に算出しています)
ユニゾの競争優位性の深堀は次回行いますが、両事業の特徴として「優良立地」での事業展開が挙げられます。
但し、財務的負担を掛けて「優良立地」を手に入れているだけである可能性もあります。
財務状況
Net D/Eレシオを見ると、かなり攻めた投資を行っていることが分かります。
健全性の目安である1.0倍を大きく上回る状況です。
よくもまぁこんな状態でお金を貸してくれる銀行があるものだと思い、有価証券報告書で【役員の状況】を確認すると、11名がみずほ出身者という何とも香ばしい香りが漂う人事になっています。
実際に簡易的に貸出金利を試算(支払利息÷有利子負債)してみると、不動産大手3社の貸出金利を大きく下回る水準であることが分かります。
銀行という組織はOBをとってもとっても大事にします。神の見えざる手が動いていても何ら不思議なことではないでしょう。
収益性は抜群に高いものの、何だか怪しげな臭いがします。
次回は競争優位性をもう一段深堀し、怪しげ臭いを払拭するだけの力があるかを分析していきたいと思います。