さて、前回の続きです。
(前回行いました新報国製鉄の分析はこちらになります)
株価・PER
業績の拡大と共に株価は順調に上昇しており、5年前と比較して株価は約5倍になっています。(直近高値は約8倍)
株価は5倍になったとはいえ、競合と比較してもPERは圧倒的に低水準です。
今後の市場の見通しにもよりますが、割安で放置されている可能性があります。
市場の見通し
新報国製鉄の主要市場である半導体・液晶製造装置市場は循環産業であるため、今後の見通しについては注意深く見ておく必要があると思います。
前述の通り、半導体・液晶製造装置は循環産業です。
過去の市場規模の推移を見ても、2-3年周期で上下動を繰り返しています。
日本半導体製造装置協会の予測では18年から再び上昇周期に入るとしています。
つまりこれから市場環境は良化していく方向ということです。
更に注目すべきは、市場が下落周期にある中で新報国製鉄の業績が好調であったといことであり、市場環境の良化に伴い、更なる業績の拡大が期待できそうです。
目標株価
最後に簡易的ではありますが、目標株価(ターゲットはFY19)について書いておきます。
現在の一株当たり純利益が198.8円、株価が1,192円(2017/3/26時点)、PERが6.0倍
利益成長率とPERの感応度分析結果が下記になります。
利益成長率は、半導体製造装置の予測市場規模CAGR(16-18)である2.14%とその半分、及びゼロ成長の3ケース
PERは競合企業平均である16.2倍(PERが50倍以上の企業は異常値として除く)を最大とし、競合平均と現在値の平均値、現在値の3ケース
最大ケースだと3,231円という試算になりました。
対象業界が市況の影響を受けやすいことから利益成長率およびPERについてかなり保守的に見ていますが、それでも最大ケースだと株価は3倍程度になる見通しです。
繰り返しになりますが、保守的に見て株価が3倍ということで、個人的には3,231円は通過点と捉えています。
参考ですが、EPSは12-16でCAGR 51.2%という投資家が涎を垂らすような成長を果たしています。
このままこの異常な成長が続くとは考えにくいため、今回の試算における利益成長率では考慮していません。