経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

ドリームインキュベータ(4310)企業分析①

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今回はドリームインキュベータ(4310)について分析を行いたいと思います。

ドリームインキュベータ(以下DI)は東証1部上場で、時価総額は224億円(2017/3/23時点)

 

企業概要

DIは2000年に当時ボストンコンサルティンググループの日本代表であった堀宏一氏が設立した日系戦略コンサルティングファームです。

元々は「ホンダやソニーを100社育てる」という思想の下で、ベンチャーの成長支援を行うことを掲げていました。

現在は大企業向けコンサルティング事業とインキュベーション事業の両輪で事業展開しています。

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少し前に、日本一就職倍率が高いことでも有名になりました。

 

事業構成

前述の通り、DIはコンサルティング事業とインキュベーション事業の両輪で事業展開しています。

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インキュベーション事業は、

ベンチャー株式への投資を行う「営業投資」、

連結子会社化したペット向け医療保険を展開するアイペット損害保険の「保険」

同じく連結子会社化した余剰在庫の流動化サービスを展開するリバリューの「アセットリクイデーション」

知的財産権への投資を行う「知的財産権」

デジタルマーケティングやコンテンツマネジメントを行う「その他」

に分かれます。

 

マイノリティ投資に留まらず、マジョリティ投資を行い連結子会社化し、自社社員を投資先に送り込むというユニークなビジネスモデルになっています。

 

業績

売上は順調に伸びているものの、利益は安定しない印象です。

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このままではどの事業が成長して利益を稼ぎ出しているのかが見えにくいのでセグメント毎に分解して見てみましょう。

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最大セグメントの保険が全社の売上を牽引しています。

コンサルティングは安定した売上を出しているものの、その他の事業が不安定な状況です。

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一方、利益という観点で見ると、コンサルティング事業が安定して利益を創出していますが、その他の事業については不安定な状況が続いています。

最大セグメントの保険もまだ収益の柱とは言いにくい状況です。

 

業界でもユニークなポジショニングを取っているDIですが、まだ事業モデルを模索中(=常に変化している)のようです。

次回はDIの掲げる戦略および株価水準に基づき、目標株価について分析を行いたいと思います。