経営コンサルの割安株分析

現役経営コンサルタントが中長期保有を前提に中小型株を中心に分析。自身の専門性や調査・分析範囲(能力)に限界がある中で、様々なバックグラウンドを持つ方々との意見交換を行うことで、割安株への投資を実現することが目的です。

高橋カーテンウォール工業(1994)企業分析①

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今回は高橋カーテンウォール工業(1994)について分析を行いたいと思います。

高橋カーテンウォール工業(以下、TCW)は東証JQS上場で、時価総額は63億円(2017/3/16時点)

 

企業概要

TCWは高層建築などで利用されるプレキャストコンクリート(PC)カーテンウォールで国内首位のメーカーになります。

PCカーテンウォールと聞いても馴染みのない方が多いと思われますが、外壁製品をマッピングしたところの右上に該当する製品になります。

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PCカーテンウォールはセメントを主原料に、成形・硬化させて製品化したセメント2次製品のことです。

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工事現場でコンクリートを形に流し込んで作ることに比べ、工期が短縮され、品質が均一化できるというメリットがあります。

一方で、物流の観点から需要地の近くで生産する必要があります。

IR資料によるとTCWは当該領域において、国内シェア61%(2016年時点)を占めています。

 

参考情報ですが、TCWはザ・ペニンシュラ東京やグランフロント大阪の外壁を手掛けているようです。

 

事業構成

TCWはPC事業(94.0%)の他にアクア事業(4.7%)というスポーツ施設(プール)及び各種温浴施設の企画・設計・施工を展開しています。
(残り1.3%はその他セグメントに該当)

アクア事業は1993年に新規事業として開始しましたが、未だに単独運営に資する収益性を確保できていません。

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業績・財務状況

業績はFY12まで苦しい状況が続きましたが、国内の建設投資が上昇基調になるに伴い順調に回復しています。

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FY16における業績の落ち込みは、長期プロジェクト割合増加により売上の一部が翌年以降に繰り越されるためとしています。

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一時はNet D/Eが1.0倍(健全性の目安)を超える場面もありましたが、現在はかなり強固な財務状況と言えそうです。

 

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業績、財務状態共に良好であり、主戦場では国内シェア6割超と興味をそそられる企業です。

次回はTCWの戦略志向、及び株価(推移、目標)について分析を行いたいと思います。